2020年のボクシング・ビート5月号は、大変魅力的な対談が掲載されています。
内山高志&井岡一翔 特別対談!
とても面白い内容で、素人からすれば思わず、へぇ~と唸るものでした。
筋肉がある人間が、必ずしもパンチ力が強いわけではない、と語っています。
世界を取った両者の肌感覚というのは、ものすごく含蓄があって興味深いです。
新旧の名チャンピオンのスペシャルトークの一部を見ていきたいと思います。
内山&井岡のスペシャル対談の冒頭について
対談の冒頭を飾っている、文面は以下のとおりです。
✔やっぱ「組み立て」でしょ
ボクシングは組み立て…、この言葉が物語っていることが非常に印象深いです。
昔のボクシングは、立ち止まって殴り合うというものでした。
その後、アウトボクシングのスタイルが確立し、現代はまさにスポーツです。
流れの中でいかに相手をやっつけるか…、そんな風に変わっています。
そして、それはいまもなお、進化し続けています。
変態フットワークと称される(?)ロマチェンコは、まさにその象徴です。
パンチ力と当て感の関係について
対談では先輩後輩のやり取りから始まり、パンチ力へと話題が移ります。
井岡:僕自身はパンチを強く打つことにそんなにこだわりがなかった。
パンチのある人というのは、筋量などではなく、「強く打つ才能」があると思います。
筋肉があってもパンチが弱い人っているじゃないですか?
内山:めっちゃいる。逆に、筋肉がなくてもパンチが強いやつもいる。
力を入れるセンスがある、といった内容で花が咲きます。
内山:力を入れなくても強いパンチはちょっとしたコツで打てるようになる。
初めて一翔を見たときに、「おぉ一翔ってこんなパンチないんだ」と。
井岡一翔はパンチ力がない…、でも当て感がすごくてちゃんとKOをしている…。
ボクシングが腕力だけでなく、技術力を問われるスポーツである証左だと思います。
ちなみにわたしがボクサーを観ると、いつも驚いてしまうのが足の細さです。
上半身がムキムキなのに対し、とてつもないくらいに足が細い…。
ボクサーはフットワークが問われるので、機敏さを追求するとああなるのかもしれません。
内山さんが語る伸びない人について
ノックアウトダイナマイトの異名を持つ内山さんですが、意外な一面が語られています。
内山 もともとパンチがなくて、アマチュア時代もアウトボクサーだった。
あとからパンチ力がついてきたから、それが結果的に良かった。
最初からパンチあったら、そっちを過信して多分伸びなかった。
高校時代からパンチがあるやつは、伸びないケースが多い気がする…。
高校時代はほとんどボディーを使っていない、とも語っています。
ボクサーの最大の敵は、慢心という弱い心なのだと改めて思います。
世界の舞台で活躍し続ける人は、ただ強いだけではありません。
内山さんも井岡さんも、ちゃんとそれができている…改めてその凄さを感じました。
組み立てがないと世界では難しい
組み立てがなければ世界レベルで戦うのは難しい…。
組み立て方は人それぞれで、各々に個別のベースがある。
改めてボクシングの奥の深さを実感させられました。